写真を撮っておけばよかった…と後悔していますが、なにも写真がないのも寂しいので、Facebookのイベントページからお写真を拝借しました。
左上が探究学舎の宝槻さん、その下が箕面高校の校長先生である日野田直彦さん、お隣が認定NPO法人カタリバ代表理事の今村さんです。
第二セッション「これからの学校や教師の役割とは?」のパネラーの皆さんですね!!
となると、右上は何だ…?
これは、関西大学の梅田キャンパスの一階の写真なんです!!
これが大学か?!とびっくりしたのですが、学部があるキャンパスではなく、学生といろんな業種の方々が交流できることを目指したものなのだそうです。
一階にはスタバ×TSUTAYAが…!
毎月、様々なイベントも行なわれているようです。また行きたくなるおしゃれなキャンパスでした!!
さて、本題に入りますね。
第二セッションのモデレーターは、NPO法人Colorbath代表理事の吉川雄介さんが務めていらっしゃいました。モデレーターのお二人は、グローバルシェイパーズ大阪のメンバーだそうです✨
▼第一セッションの様子はこちら
登壇者を改めてご紹介します。
- 今村久美さん
認定NPO法人カタリバ代表理事
→慶大在学中に高校生のキャリア学習を支援する「カタリバ」を設立されました。強さをお持ちの、大人の女性という雰囲気がしました。
- 日野田 直彦 校長
大阪府立箕面高等学校 校長
→2014年、大阪府の公募等校長制度に応じ、大阪府立箕面高等学校の校長に着任されました。物腰やわらかに、ずばずばとおっしゃられる方だな…!という印象。
- 宝槻泰伸さん
探究学舎 学長
→私のいる、岡山県吉備中央町にも来てくださったこともあります!!!高校退学~大検取得~京都大学という特異な経歴をお持ちで、「オチャメ」と「ダンディ」が共存する、珍しい方だと思います(つまり素敵な方だということです)。
(追記:こちらのブログでは、パネラーや質問者の方々が仰った言葉をできる限り再現したいと思い書かせていただいておりますが、一言一句違わずに書く議事録的なものではなく、あくまで私の記憶に残った言葉で書かせていただいていることを予めご了承下さい。ご指摘、アドバイスなどお待ちしております。)
吉川さん:
第一部では、時代が変わっていく中で求められるスキルについてのお話がされたと思いますが、第二部ではなにを目的に、なにを得るためにそういったスキルが必要なのか、という本質的な部分に迫っていきたいと思います。
まずは、生徒のアクションに繋がるような、社会との接点のもたせ方はどういったものがあるか?ということについて、ご意見をお聞かせ下さい。
今村さん:
そもそも個別的だったニーズが顕在化している時代。伸びるところはとことん伸ばし、取り残された人をこぼさないというのが教育の役割。取り残されている子がいるとして、その子が今置かれている状況を見つめることで、その子が抱えている苦しみを生んでしまった背景が分かったり、その子以外の似たような状況の子たちの気持ちの代弁ができる。そういう彼らの感覚に寄り添い、アクションを起こしていくことが必要だと思う。
宝槻さん:
ぼくは社会との接点を創るという点で図書館を開かれた場所にしたいと思っており、図書館に変な高校生たちが集まって、中学生に話す、というような活動をしていた時期もあった。中学生の中にはそれを求めている子もいる。学校教育を、教育の中心にしないというのがぼくの考え。今日は学校批判論者的な立場で一応いようと思っています(笑)。
日野田さん:
みなさんぶっちゃけ、顔怖いですよ(笑)。こういうときは、わかったらうんうんうなずいたり、反応したりすることが大事ですよ。データでも、首を振りながら聞いている人のほうがその後の話の吸収率が高いというものが出ていますから。
いま、教育というのが訓練する場所になってしまっている。今の「いい子」たちは、あたまになにか言葉がつく、「いい子」たちなんです。それは「教師にとって都合が」いい子、ということです。そういう日本ですが、逆に考えましょう。日本は課題先進国と言えます。人口も減少し、借金を抱えて、経済も不況で、こういった国がこれからどうなるのかということをアメリカもインドも中国も気になってますよ。いわば実験場だと思われてますね。アメリカの友人から日本取材させてくれってオファーも来たりしてます。だからなんでもやってみればいい。
宝槻さん:
今の生徒たちが、社会課題に対するチャレンジャーになってもらえたら素晴らしいと思います。
1つは、社会課題の畑に差し込むということ。たとえば、格差の問題などを授業の中に取り入れて、ディスカッションさせるなど。
もう1つは、社会課題を解決したいと思えるマインドをどう育成するか。苦労をこえて、どう取り組んでいくかというマインド育成には偉人教育が有効だとぼくは考えている。
塾に来る保護者のニーズは2つあって、1つは子どもを自立させたいということ。例えば受験を乗り越えられるだけのスキルを身につけさせるというような。
もう1つは好きなことにチャレンジしてほしいということ。ぼくは探究学舎で、どちらかと言うと後者の保護者のニーズに応えられるような学習をサポートしたいと思っています。
とは言っても偉人教育って…?と具体的に知りたい方は、以下の本にたーくさん例が書かれていましたよ!!ぜひぜひ。▼
今村さん:
意欲を引き出すという1番の方法は、課題のあるその場所に連れて行くということだと思う。たとえばカタリバの拠点で島根県の雲南市や、岩手県の大槌町がある。雲南の子たちを大槌に連れて行って大槌の子たちと話をしてもらうことで、これまでは「どんな支援ができるか」というようなことを考えていた雲南の子たちも、「自分たちが震災にあったらまず逃げる場所はどこだろう?」というようなことを考え始めるようになった。問いの質が変わってくる。
日野田さん:
わくわくするようなことからはじめたらいい。みんな、いきなり神様みたいなこと言うんですよ。そんないきなりできっこないって。たとえば私の友人はFacebookを立ち上げたんですけど、あれもマーク・ザッカーバーグに彼女が居ないから、みんなで見つけてあげよう!っていうのが始まりで、こんなに大きくなるなんてまったく考えてなかったし、想定もしていなかった。だからそういうちょっとしたところから始まるんです。
宝槻さん:
いま来てる高校生に聞きたい、学校の学びでどんなものが社会に役立つと実感できている?
今回、日野田先生の学校の生徒さんが何名もいらっしゃっていました!
高1:
ぼくは偏差値教育は歓迎していて、いまやっている学校での学びも、自分が将来なにかやりたいと思ったときにやれるためのものだと考えている。可能性を広げるために今の学びがあると思う。
高3:
ビジネスプランコンテストなど自分で積極的に課外のことに取り組んでおり、それは将来に役立つと思うが、学校の勉強は答えがあるし、将来に役立つとは思えません!少しはあるけど、高3生になるとなくなってしまう。
学校や教師の役割は今後どう変化していくか?
宝槻さん:
彼女が言ってくれたことが問二の、学校や教師の役割はどうなってくるかにもつながってくると思うんだけど、教育は学校だけではないとぼくは思う。彼女は学校に行くことで管理されるという体験をしているかもしれないし、その他あらゆる学びを受けていると思うんだけれど、民間が変化することが大事。
今村さん:
でも、みんなが探究学舎に小さな頃から通えればいいけれど、そういう子ばかりではないし、彼女のように自発的な子ばかりではない。これからは、ちょっとした学びを得る網目をどう増やすのかというところが大事で、そこに生きるリアリティを感じられるはず。
宝槻さん:
学校がプラットフォームになっていけばいいと思う。学校にいろんなもの、つまり民間の企業だったり、地元の方々だったりが載っていけるような体制を作れたらいいと思う。
吉川さん:
今後、宝槻さんのおっしゃるように学校側が学びをコーディネーションしていく必要性が生まれる。その中で教師はどういう役割を担えばいいでしょう?
今村さん:
今、学校は変わろうとしている。社会科もかなり大きく変わろうとしていて私はわくわくしているが、リーダーの意志決定が歴史の中でどうなされてきたのかということを中心に教科書が書かれる。
▼参考
宝槻さん:
日本は読み書き算盤に代表されるようにまんべんなく生徒に教えるということに一日の長がある。
だからこそ、それ以外のところは学校の先生ではない別の人が担うのが良いと思う。
日野田さん:
教師も現場で苦しんでいる。なかなかやりたいことができないという現状がある。
だからこそ、小さなプロジェクトではじめてみて、対等関係を築き、一緒に作って、責任は校長がとると言う形をとっている。
宝槻さん:
以前ぼくも、自分たちで作ったプロジェクトを学校に売るということをしてきたが、抵抗勢力がかなり強かった。その時の印象では、学校の中の6~8割が保守的だなという印象を受けた。偏見があるのかもしれない。どうポジティブに関係を築けるのか、どう音頭を取ったらいいのか?
学校はなぜそうやって保守的になるんでしょう?
日野田さん:
どうしてだと思いますか?不安でいっぱいなんですよ。だからこそ小さいところからチャレンジしてご覧なさいとうながす。校長が皆にとってのサーバントリーダーになる。
学校が、先生にとっても、生徒にとっても安全な場所だということを示す必要がある。
今村さん:
これまでの学校教育の歴史を見れば分かるんですが、学校というのはいったんの質の保証が必要だったんです。戦後、国の資格として教員免許をちゃんととった先生が、仕切られた空間の中で勉強を教えることで、平等な教育とその質を担保していた。
今は、過渡期だと思います。先生たちにとって外部の人間が入るということの不安感の1つは、質の担保ができるのかという懸念。もう1つは、先生たちのロイヤリティが奪われるのではないかという本能的な思いです。先生たちもプロで、子どもたちにとって最善の存在でありたいという思いを持っているから。
ここで質問タイム!!
質問1.
これまで5科目が学校の教育の基礎として学校で教えられてきたが、今後どうなるだろう?
A1.ある程度のセーフティーネットになるだろう。学校の多様性が担保されるべきで、逆に教科教育を徹底したらキャリア教育になると僕は思う(宝槻さん)。
質問2.
社会の側が、新しい教育を受けた子どもたちを受け入れる土壌はあるのでしょうか?
A.人は一生涯学び続けることが必要。そういうときこそ、大人が学ぶべきだし、社会で受け入れてからもいろんな学びのきっかけを大人が作り続けたい。
質問3.
人の成長って何だと思いますか?
A.試行錯誤(宝槻さん)
学ぶ前と後を自己認識すること(後藤さん)
心に火をつける事が大事
学び続ける力
(↓ごめんなさいこれどういう文脈でおっしゃったか覚えていないのですが…)
今村さん:ただ生きていくだけで幸せになれる社会を作りたいですね。
質問4.明日から私たち参加者はどういうアクションを起こしていくべきでしょうか?
A.身の回りのものに興味をもつこと(後藤さん)
クリエイティブからそれをシェアし、learnにつなげること(米田さん)
不安感を払拭し、大人が声をかけられる余白のある社会をつくること(今村さん)
頭を、首をふること(笑)(日野田さん)
個人の教育に関する取り組み、アクションを集結させて開かれた学校をつくること(宝槻さん)
それでは、こちらの現場レポートは以上です!!!
はじめてこうしてブログを書いてみたのですが、改めてまとめて勉強し直すことができました。
私たちがいる岡山県吉備中央町のKii+という町営塾でもどんどん新しい取り組みを進めていったり、ここでできたつながりを活かしていきたい、そう思いました。
拙いレポートではありましたが、ここまで読んでいただき、どうもありがとうございました。
フィードバックやご感想、お待ちしております。これからもっともっと精進します!!!
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